わたがしをつくる

目の隈が永遠に抜けないままなにか書いている。

冬が終わるはなし ひとつめ

お久しぶりです。
今回は冬の話のひとつ、
星は廻る(まわる)月は廻る(めぐる) 1周目についてお話します。




琴葉姉妹と結月紲星。
タイトルだけ見れば結月と紲星の話に感じるかもしれませんが、できれば先入観を取って見ていただけると幸いです。
前提として、普段琴葉に対して設定している
【茜は天才】【葵は努力家】を
【結月紲星は天才かつ努力家】【琴葉は努力すれば天才を超える】
この2点に変え存在させています。

正直話せる内容はまだ無いに等しいですが、ラストシーンの補足だけさせていただこうと思います。
チョコを渡すという行為ですが、これは今の茜自身を表しています。
本来であれば大事な(甘いもの=茜)が既に苦しい対象になっています。
けれど何よりも耐え難い存在には変わりがないため、葵は嘘をついて受け入れる選択肢を選ぶことは到底出来ませんでした。
だからこその「今は」を加えた言葉。
それが茜を傷つける意味と分かっていても、彼女は先に進むための選択を選びました。
だって過去が一切存在せず、その数少ない過去さえ溶け消えてしまったため。

ですが十数年も同じく想い続けたのは葵だけではありません。
本来であればつけ刃、メッキのような作り方で葵にチョコを作るべきではないと知りつつも、茜はそれでも過去へ縋りました。
苦いチョコでコーティング(メッキで現状を隠す、先に延ばす)行為をしてでも、未来だけでなく今も過去も含め葵との思い出を捨てたくなかったから。

ですが茜は葵を思うあまり、力を入れ過ぎてチョコを砕いてしまいます。
まるで葵を大事にするあまり、甘いものを強制して壊しかけていた自分のように。

けれど葵に対して自分が持っている大事なものはもう持ってないと自覚しているからこそ、全てをかなぐり捨てて怖くても苦しくても(今まで=関西弁)を消して必死に頼み込むのです。

茜に対しての葵の返事…それは「甘い」でした。

コーティングがなくなったチョコを葵は全て食べます。
葵は茜に本当の想いを打ち明け、茜の気持ちを受け入れる準備はできたからこその言葉でした。

まだ琴葉は少し進んだばかり。けれど確実に「一緒にいたい」という2人の気持ちは一緒に踏み出せたのかもしれませんね。