わたがしをつくる

目の隈が永遠に抜けないままなにか書いている。

春を終える話

さあ皆様お久しぶりです。考証のお時間です。

 

いつもお世話になっている星は廻る月は廻るシリーズ、なんと今回

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たった3ヶ月で出せました。やったね!!!

 

 

 

台本調声2ヶ月 映像1週間と4日かかりました。Sorry

 

では今回もいつも通りやっていきましょう。この物語の紐解きを……。

と言いたいところですが、実際6話、そこまで分かりづらい所はなかったかな、と思います。(思いたい)

苦節1年前が5話前編を上げた日。しかし1年やってた事は5話の映像作りでした。なので映像技術の進捗を皆様にお届けできたかと思います。

 

なので今回は久々に1話や2話と同じ様に、隠された意味をお伝えしていこうかと思います。そう、メッキのチョコレートや、傷を負ったイルカのように。

 

今回の話ですが、琴葉姉妹が主軸として動きます。なぜなら4月25日こそ茜と葵の誕生日であり、あかりとゆかりにとって初めての出来事の経験だからです。

5話で経験した春祭も彼女たち4人にとって初の出来事ですが、あれはあくまでも彼女たちが全力を尽くして作り上げたものです。そしてあのタイミングはまだあかりとゆかりの関係性が不安定であり、4人の『結果』を得るものではなく、4人が『努力』している最中の話でしかありません。

 

故にここから、ここからなんです。4人の関係性が固定された今、彼女たちはここから最後の……あかりが死ぬまでの最後の道筋を進んでいくわけです。

それは全てを記憶しているあかりも、経験をしているゆかりも、うっすら知っている茜も葵も、知らない道。

彼女たちはこの6話から、本来あった筈の過去と未来を、今経験している時間とまるで答えあわせのように照らし合わせながら知っていくわけです。

 

極論を言えば、時計を使えばあかりは蘇ります。代償はあかりの死と、それまでの全ての出来事を捨てるのと引き換えに。

4人が生きようとしている、進もうとしているのは、確約されたあかりの死の先、存在をずっと否定され続けていた未来。

彼女たちは『今』が『過去となった未来』よりも良かったと思う度、あかりの死を肯定する今を生きる事と向き合わなければいけません。

それが今、6話の始点となります。

6話が彼女たちにとってはじまりであり、終わりを覚悟していく話になるんです。

 

 

6話では琴葉姉妹が主軸であり、要素として甘さ、苦さと4人それぞれがこの2点に則った物を持っています。

 

そう

 

彼女たちの苦い想い

 

 

今回の鍵は全て、味覚。コーヒーです。

彼女たちは1人1人、苦味を噛み締めるようにコーヒーを手に想い人への気持ちを語っていきます。

彼女たちにとって恋とは決して甘いものではありません。茜も葵も、ゆかりもあかりも、相手を思えば思うほど傷つけてしまう、そんな気持ちを軽々しく恋なんて呼べずにいるんです。純粋な色なんてない、ただ黒に近いもので心を満たし、それをいつか吐き出す日が怖い。彼女たちにとって6話の想いは全て、恐怖に近いものなんです。

 

だけど、けれど、想い人の最も近くにいて、その上で誰にもその席を譲れないからこそ彼女たちは1人1人コーヒーを飲み干しながら想いを告げていきます。

今まで時間を否定し、子供のままでいた彼女たちは未来を知っていても、歩み大人になる一歩としてコーヒーを飲んでいく……のかもしれません。

 

そしてその中で1人、コーヒーを手にできていない子がいましたね。

その上でパフェを残している子がいましたね。

 

琴葉茜は元来、甘いのが苦手です。あくまでも甘いのが好きと錯覚することで、甘いホットミルクに言い訳をしてきたに過ぎません。

けれど彼女は、この中で最もわがままを隠してきた彼女は選びます。

 

葵もあかりもゆかりも、たった2ヶ月だけでも笑いあえる日々を。

 

 

 

星月の琴葉茜は関西弁モドキを使います。ですがそれは意識して使っているだけで、彼女は標準語も普通に扱えます。なぜかと言えば彼女はずっと迷っているから。

『わたし』と『うち』 彼女の中で関西弁を使っていた日々に葵は居ません。

茜は6話の中で『今までのあおちゃん』『標準語での葵』『関西弁での葵』を言います。それはきっと、彼女の中で今を、誰よりも早く肯定できたからです。

そしてその上で、誰よりも茜の事を分かろうと時間を使ってきた彼女が、茜の選びたい道を理解できないわけがありません。

更に付け加えるなら、茜が選んだのはゆかりが言った様に、様々な想いを混ぜきった上で成り立たせているものです。そんな茜が葵の欲しい未来を分からない訳がありません。

 

だからこそ。

 

2人の契り

これ、端的に言います。

最もゆかりとあかりをなんとかしたいと願っているのは、実際葵>茜です。

でも葵から「なんとかしたい」とは言いません。

茜は『お姉ちゃん』である自分が最も心強くあれるからこそ、この行動はお姉ちゃんであるためにしているんです。そしてだからこそ、茜に言わせてしまうからこそのごめんなんです。

 

「先に告白してきた妹に、恋人を止めさせて欲しいなんて言わせるなんて、お姉ちゃんじゃないでしょう?」

 

ラストシーン、これは彼女たちにとって決められたセリフをただ告げていくだけの劇に過ぎません。

互いに良くないと分かっていても、それでも彼女たちはお互いの想いを確かめ合うように恋人関係を止め、願いを打ち解け合う。

 

そんな話です。

 

 

 

7話以降、全て結月ゆかりが主人公となり話が進みます。

どうか残り5-6話、見守っていただけましたら幸いです。

 

 

 

おまけ

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おまけ2

歌詞

曲はいつかこのお方が出してくれると、信じています。

 

それではまた7話で。Goodnight