仏顔
X(Twitter)にて出していたこれ↓
流石にいつまでも掲げるように置いておくのはなあ、と思い収納。(他にも色々要素としてはありますが)
「個人として抱えきれなくなったため以下を公開します。 以下の意図は抱えきれなくなったただそれだけです。誰かを攻撃したい訳でも何かを訴えたい訳でもないです。ただ抱えきれなくなったそれだけです。」
こう口にした通り、捨てるための物です。それ以上でも以下でもなく、それだけ。
以下補足。
遅刻や約束事を守れない人にとって、本ドキュメントはとても耳が痛いものかもしれません。(実際、そういう声を目にしました)
だからこそきちんと言うのですが、そういったざっくりと「良くない事」をしてしまったら、「ごめんなさい」と一言言えばいいと私は思います。(物事の大小にはなりますが)
その一歩先として、「これからは気をつける」に準ずる対処策を伝えたら、ほぼほぼ日常では大抵の場合何も起きないと思います。(というか、本件もほぼそれですしね)
また、もしどうしても対処策が浮かばなかったら、相手に聞いたっていいでしょう。(よっぽどの何かがない限り答えてくれる人のほうが多いです)
例外として何度も続けると信頼が崩れるため危ないですが。(本件もre)
まずいことをしたと思ったら、状態にいると思ったら、
即行動をおすすめします。
金を貸して返ってこなかったり、費用を全額出してるのに旅行バックレたり、浮気されたり、包丁で刺されかけたりetcetc、これまで生きてきた中でそれらもほぼほぼ笑い事として済ませてきました。
経験として面白い、という気持ちもありますが、結局最後には大体相手が申し訳無さを抱いたりそれに準ずる行動をしていたからだと思います。自分は心が弱いので許されたいと願う相手を放置するのが結構しんどいです。ので、許したほうが楽なんですよね。笑い話として他人に話せる位にした方が生きやすいですし。
その上で今回、人生初、切り取り捨てたのは結局、罪悪が相手に無いから(伝えてこないから)だと思います。
ほぼ全てを許してきた人間が無理と移行してしまう、それくらい態度と言動は大事なので気をつけたほうが良い。
夕凪
4つめの回答に少し押し付けがましさのような回答をしてしまった気がして、それは自分の中に少し悔いとして残りそうでした。そのため「良かった」と言葉にしてくれたmy著作の夕凪に君は咲くの話を少ししようと思います。(普段の解説とは少し趣を変えたもの、あくまでも返事の延長線のような形となります)
「夕凪」は元々、土台として葵×蕾茜とあかり×雫のお話として制作していました。想定としてはおおよそ15万文字。今回は寄稿?のために5万文字制限がありましたので、大幅にデチューンをして琴葉単一のお話として制作をし直したのが本作となります。
本作は前々から構想として存在していたため、先んじて書き上げようとしていた神仏閣系統のものから引っ張る形を取り、いくつか調べ物をしていた中からモチーフとして「衣通姫伝説」を持ってきています。(舞台は四国近く、瀬戸内海にある岩黒島、そこへ姉妹である2人を追いやる)
元々ゆづきずを絡めようとしていた所から「潮汐」、衣通姫伝説から「島流し」
あとは連想ゲームのように海に絡め「朝凪」と「夕凪」
最後に茜蕾が必ず元に戻る事を断定させるため「咲く」をテーマ?として入れる形に制作がスタートしています。
本作を制作する上で描きたかったものは「後ろめたさの許容」の一点になります。
双子かつ姉妹でも「他人である」というのは私の制作物ではいつも通りのため、そこに対して「限りなく同一であるに近い他人」に「神秘性を感じる」という形で葵を一人称役に抜擢。
上記の2点が重なると、人は不思議と憧れと同時に寂しさを感じます。これにより茜が幼くなっても葵から見た「姉」という特性を極端に失わないよう制御。
また同時にテーマたる「後ろめたさの許容」は誰から来るのか(後ろめたさを抱く人間は誰か)という所で龍宮病患者全員とした上で茜蕾を巻き取ります。
本作で最も気をつけたかったのは2人をただ「結ばれてよかったね~」と抱かせないようにするものです。
本作にはR18のシーンがあります。R18として描かなければいけない以上、必須だからです。この2人になぜこのタイミングでR18が必要だったのか、考え、向き合い、悩み抜いて私の出した答えは「相手の全てを受容するため」だったと思います。
2人は双子で、姉妹で、恋人で……同時にそれでも、どこまでいっても混ざり合う事のない他人なのです。それはR18を出すことによって強く……悲しいことに強く引き立ちます。
どれだけ強く、限りなく0と0に近い距離で抱きしめあっても、水分を分け与えあっても、彼女たちは1と1の個体で、1+1=1になることは決してない。
それでも、その問いの答え合わせになっても2人は確かめあったのだと思います。それは多分、言葉として「受容」と私は形容します。
茜蕾の大人として戻りたくない、だから戻っていないという(それは意として恋人になってからよりも、子供の頃の2人でいた時の方がずっと、茜にとって正直でいられたという記憶によるものです)不誠実を葵が受容し、その上でその選択に苦しい、悲しい、戻って欲しい、けれどあなたを愛し、尊重したいという葵の想い。
2人の中にだけ存在する赦しあいを、「受容」と私は呼び、それはきっと、言葉だけでなく、行動だけでなく、R18が必要だったのだと思います。(傷ついた心のケアとケアをここできっと行っている)
2人……蕾茜が最後に選択したのは大人に戻る事です。(私としては文章で戻ったことを曖昧にし、絵では戻ったことが確定的が美しいと考えます。何故かと言われれば、それは多分、目にする限りは実際にありえてはいけないけれど、曖昧にすることで受容するためだと思います。言葉を濁す、という逃げをしますが)
蕾茜は元に戻った事で、2人は初の龍宮病寛解者として島から出ることになります。(雨を晴らす贄のてるてる坊主のように、彼女たちは龍宮病を無くすに至る必須の存在として咲いた花は薬となる)
なぜ島が最後落ち着いていたかと言えば、大人に戻った茜をみて、皆後ろめたさから解放された側面があるからだと考えます。(皆戻りたくないと同時、いつかは戻らないといけないと、ずっと自分の後ろめたさを抱えていた)
2人は未だ許されていない恋人として、初の例として島から遠くへ行くのでしょう。
それはたんぽぽの綿毛のように、花の種子を鳥が運ぶように。海を超え、遠く遠く。
これは受容の話かもしれません。
ヒトとは
ハーイ。これはきっと備忘録。
私は人より劣っている。そのため他者と関わる時は人一倍努力して生きていかなきゃいけない。思っている、とかそういう話ではないのだ。努力しなければ普通には追いつけない。それが私という人なのだ。
さて、それを念頭に今回起こったことを総評しよう。
本来私という立場が総評すべきではない。しかし総評でき得る人間が私しか存在しないという全く歪んだ器の場が形成されてしまった以上(私も形成に手を触れてしまった立場ではあるが)これから先、起こり得ぬようにただ書き記そうと思う。
総評
・ほぼ全員が悪い
何が起こっていたのか、何が起因原因としてあり、結果として結末として成ったのか。私(+内部1名、外部1名)しか知り得ぬ中言えるのは『ほぼ全員が悪い』の一言で終えられる物だと断言しよう。
先に総評をしたため、次には何が起こっていたのかを順番に連ねていくべきが順序だと思ってはいるが、先んじて総評からの『これから』を書こうと思う。でなければ迷う人が出ると私が思っているからだ。
これから(内省、反省を経た上でどうすべきか)
・行動による内省と反省を随時行う。また、意味のない自省をしない。
・誠実に生きる。
上記は『ほぼ全員が悪い』故に『ほぼ全員』が均一に行うべき物だと考えている。そのため私自身が反省をしたからこそ行うべき『これから』は入っていない。それは各自がきちんと反省して行うべき物であるからだ。
反省するのは人としてまず当然だ。人は繰り返し反省をして次に活かし生きていく生き物であるがためだ。
だがその上で今回の出来事は先んじて書いた通り、そもそもが歪んでいる。
私(+内部1名、外部1名)だけが全容を把握していて、当事者たる約十数名が全容を把握出来ていないのだから。
(それを引き起こしたのは私であり、それを選んだのは当事者達だ)
なぜ総評、からのこれからどうすべきか、を先んじて書いたかといえばこれに尽きるのだ。
何も分からない、知らない人間に反省なんて出来ない。その一点に尽きる。
反省とはこれから先の人生を自分と他者含めより良く生きていくための活動の一環であり、社会的活動の一環でもあるだろう。
しかし反省すべき事柄の全容が何も不明瞭の中反省して何が見出だせるというのか。
悪い事をしたなら何が悪いのか、何故悪いと決められているのか、どういう経緯で悪い事であると物事が移ろいゆくのか。知らなければそれはただの自傷行為でしかない。
全容を把握しないと決めたのは当事者達だ。故に当事者達は反省してはいけない、が結論になるのだろう。
全容が把握出来得ぬまま好き勝手口にするを選んだ以上、反省すべきではない。では何故これからに反省自省を行えるようにするが存在し得るのか。
加害者仕草を取ってしまった。それが全てだと私は思う。
(被害者意識が強すぎたために箍がきっと外れてしまったのだろう。)
選んだ事を糾弾するつもりはない。全容を把握せずとも良いとしたのは私だからだ。そんな私に無知の責任を指差すのは……権利としてはあるかもしれないが、流石にヒトデナシ過ぎるのでしない。
ただ、私の知り得る全容とは全くの別件で当事者達はやらかしをしてしまっている。
当人たちが認識すべき事のため(表沙汰で言うのも本来憚られる内容のためここでも)出しはしないが所謂陰口に対する同調だ。
(陰口にしてもラインを超えてしまっているものはよろしくない。私事ではあるが同性愛という昨今これまで以上にセンシティブな扱いをしなければいけないものを取り扱う創作者が軽々ライン超え発言をあたかもこれはジョークであるとし笑い種として扱うのは間違いなく駄目だ。我々は趣味であろうと創作は人の感情を糧としてしまっている以上普通以上に気を使って生きていかねばいけないだろう)
人をヒトゴロシに近しい扱いをした当事者達はたとえそれが内輪だったとしても自省しなければいけなかった。それが出来なかった時点で反省しなければいけないのだろう。
というか私という人間は口の強さで誤解を受け、謝罪もされ得ぬ事にそれまで我慢していた事柄含め堪忍袋の尾を切っているため、私の口の強さを糾弾した当事者達は私以上の口汚さが発生した時点で止めるべきではあった。それ、ダブルバインドもしくはマッチポンプですよ。
この歪んだ出来事に終止符を打とうと思う。正しく反省し、正しく内省し、正しく生きることは今の時代難しくとも、より良く生きて次へ繋いでいくことは可能だと信じているため。
1.私は締め切りを守らなかった人間が嫌いである。
創作者なら締め切り守ってくれや。守れないなら一生一人で創作すべきや。
締め切りを一番手で守り、5ヶ月他者の締め切りを待ち続けた人間に「締め切りは守れないのが普通では?」とは言ってはいけないよ。反省してください。
+
締め切りを守らなかった結果、もうやることは無いと言われていた人間に誤字チェックを3日以内に行えという物が発生していたんですが、これで自分たちが悪くないと言える根性がもしあるなら、締め切りを守る根性に今生変えて生きてください。締め切りを守らない場合発生する因果を考えて生きてください。ボケカス。
2.フォーマットは早々に出すべきである。
なぜフォーマットが必要なのか。誤字を生み出した時点で理解して欲しかった。
フォント次第で存在し得ない漢字があるのを小説書く人間なのに何故知らないんですか?小説のフォーマットは無いです。イラストのフォーマットはあります。馬鹿にしてるんですか?
結局ぱらーっと見ただけで私の小説に誤字何個も生み出してましたね?馬鹿なんですか?(ぱらーっと見ただけなので誤字、他にも生み出されていますよ)
+
私の分をぱらーっとチェックしただけであり、他の人に誤字あるか分からないのに何故私の分だけ勝手に修正するんですか?全員の誤字チェックした意味がなくなっている事、分からなかったんですか?
人の文章に勝手に幾つも誤字を生み出した事に怒るのは当然なんですよ。絵師の方々笑っていたそうですが、あなたがたが描いたイラストをjpegに勝手にしていいんですか?dpiを200*120にでも勝手にしていいですか?目の色レインボーにするのとかどうですか?綺麗ですよ。髪色を透明にするのとかどうですか?指を1本増やしてみるのはどうでしょう?関節も増やしてもいいかもしれませんね。
私に編集、任せてみませんか?一緒に、笑いましょうよ。ねえ。みんな同等に同じ数自分がやってないミスを出しましょうよ。仲良く。ねえ。
「小説って~イラスト貰えるだけで嬉しいんじゃないですか~?」
3.誤解で怒ってしまったなら謝るべきである。
え~でも~わたし~でも~そうは言っても~くねくねくねくねくねくねくね
ごめんなさいを辞書に入れな。
4.誓約書も請求書もなしに28万求めてはいけない。
締め切り守らなかった結果増えている金銭、一生先延ばし癖が生み出したアドビ代、一生くねくねしながら依頼を渋り続けた表紙裏表紙絵依頼代金。
「裁判したら勝てます」
私が求めているのは締め切りも守らない人間しかいない、勝手に人の文章に誤字を生み出す、人が真剣に生み出した創作物に対して敬意も払えず必要な情報を出し渋り続け言い訳をし始める主催と絵師。
人の創作物をまともに取り扱えないなら私の文章を扱うのをやめてください。その一言でしかないんですよ。
謝罪より先に「28万払え!」
その言葉のどこに正当性があるんですか?私の創作物は貸与しているだけであり、著作権は決して貴方方の物ではない。
裁判するのは勝手ですけどまともな誓約文章も契約文章も作らず1年無償で人の創作物を勝手に使いたい、使わせてくれないなら全額負担28万払え!のどこに正当性があるんですか?何を守りたいんですか?貴方方は。
私は自分の創作物を守ろうと動き続けましたけど、貴方方は何を裁判してまで守りたいんです?
余計なおせっかいですけど、2500円×150冊。確定申告きちんとしてくださいね。在庫が余っていてもそれはあなたの財産ですよ。はっきり言うけど10万儲けはやり過ぎ。
各自、何を反省しこれからどう生きていくべきか定めてください。
あなたたちは今一度自分の人生を見つめ直したほうがいい。
私は口の悪さ、そして自分の創作物を守るためとはいえ本来最後まで責任を持って決して諦めず会話をすべきだったのを諦めた点。2つが良くなかった。既に反省を終え、私はどう生きるか決めました。当事者となってしまった、選んでしまった人たちも悩み、決めてください。
自分の発した言葉、反応、自分の言動にくらい責任を持って生きていくのがきっと誠実に生きるという正体そのものだと思います。
私には関わってこないでください。二度と関わりたくない。
2025/12/01 追記
私は残りの人生、一生彼ら彼女らを許しはできないだろう。
けれど囚われないよう生きていくのだと思う。これは備忘録でしかない。
前へ進め。
水平に
[R-18] #VOICEROID #琴葉茜 夕凪に君は咲く - わたあめの小説 - pixiv
また小説を書いてました。
前作、『スウィートタブレット・チョコレイトランナウェイ!』を書いたのが2月の14日、バレンタインデイ。
それから今作へ即日挑み——……完成は4月の5日?2日?くらい。
2ヶ月と掛かりましたが、完全に書き方を会得しました。怖いものなしです。
投稿に至ったのは10月29日。約9ヶ月のログは誰か彼かが判じるとして。
それでは本の中身へ行きましょう。
今作『夕凪』では琴葉姉妹がメイン。ゆづきずでは主にSF要素や宇宙をモチーフに進めていきますが、琴葉はきちんと地上。
何を言ってるんだって話なんですが聞いてください。
これは軸の話なんですが、ゆづきずは話の外枠が結構ヒトにはどうしようもない部分が多いです。寿命だったり時戻しだったり、そういった強引な何かが彼女たちを地から引き上げようとする中、きちんと日々一日の積み重ねによっていつしか彼女たちは何かをする権利を得ます。それはきっと、世にいうハッピーエンドのための切符。
しかし琴葉はどうでしょう。彼女達に起こっている事は事故だったり病だったりと、かなり身近な不幸となっています。
今回こそ、龍宮病という人類に降り掛かった病という不幸な事件。対処法が無いのが少し寿命枠の話に近いですが、それでも本質として彼女たちは死にません。
どこまでも生きる事は畢竟可能なのです。
——ただ。
ただ、これはゆづきず、琴葉、どちらにも言える事ですが、積み重ね……努力と言っちゃいますが(そんな重いものではない。日々前を見て生きていこうとする力みたいなものです)、それから逃げることは出来ると思うんです。
ゆづきずの場合はタイムリミットが早すぎて逃げた結果がどうなるか、自分たちですぐ分かってしまうからこそ逃げれないという側面があります。
しかし琴葉の場合、タイムリミットがあやふやです。『ののはの』では最後こそリミットが出てきましたが、ではそれまでは? それまでの努力していたタームでリミットがあったかと言われれば、無いんですよ。
琴葉は結局何を描いてるかと言われれば、「自分がどう生きたいか」なんです。
更に付け加えれば、双子だからこそ曖昧になった自他があり、しかし明確な恋があるからこそライン引きされた自他が存在する中で
「私」と「あなた」が「どう生きたいか」
「あなた」のためだけに生きる事を否定しつつ、「あなた」と生きたい。
「私」のためだけに生きる事を否定しつつ、「私は」こう生きたい。
きちんとぶつかり合って、最良ではないかもしれないけれど、数ある中で最善と思える選択肢を選ぶ。
それがどういう道になるかは分からないけれど、相手を信じているからこそ、結果悩みがあっても最後には……。
◇
元々持っていた琴葉ゆづきずの話を今回琴葉専用へとデチューンしているため、自分なりの話が凝縮した物となっているかもしれません。
でも、双子で、姉妹で、恋人で、そんな生きていく中で悩みがある子たちが前を向けるように。
そして読んだ人が一人でも多く、今の一日を前を向くきっかけ、とまでは言いません。要素になれたら嬉しいです。
どうぞ、『夕凪』をよろしくお願いします。
この世界は
小説を書きました。
みなさんお久しぶりですわたあめです。
オフラインイベント、楽しいですよね。私は自発的に行くのを前半期やめました。
やらねばいけないことが……あったから……っ!
しかし行けなくて悔しいには悔しい。
そこで構想1時間の話を1万文字ちょい1日で書き、気付いたのです。
――1万文字を1日で書けるなら、3万文字は3日と少しで書ける、と。
構想2時間、1日平均7000文字。2月3日から書き始め――
――2月14日、64000文字で終わりました。(?)
掛かったのは11日間。まあ6時に起きて19時に寝る生活をしていたのでいいんじゃないでしょうか。(?)
まぁそんな感じで書かせていた小説。『スウィートタブレット・チョコレイトランナウェイ!』いいタイトルだと思います。
中身は結月ゆかりと紲星あかりのお話。素晴らしい出来だと思っています。
構想は2時間ですが、普段であればオフラインイベント用の本として書いているレベルです。文字数は少ないですが、本気度合いは過去作に劣るとも取らない物に出来たかと思っています。
今回書くにあたって意識したのは二点。
・文字数をできる限り少なく。(理想は3万文字)
・削った文章は読者に想像の余地がある形を取る。
この二点でした。
私の書く小説はどうにも……結構手厳しく言われる時は「難しい」
柔らかく言っても「装飾され過ぎている」です。
言葉、好きです。大好きです。でも一個一個の言葉に飾りが多く、そのせいで文字数が嵩んでしまう、のかと考えました。
そしてもう一つは説明しすぎている。
分かってほしい一心で、分からないと言われる怖さが拭えず必死にキャラクター達に伝えて貰おうとする。言葉というのは完璧ではないと分かっていながらも、都度100を語って貰おうとしてしまう。
それを少し、いやかなり気遣って書いてみました。
勿論ただ文字を削るだけではやはり不親切。だから小さなヒントは幾つも置いた、つもりです。それでも分かってほしい、分からないと言われるのは怖い。
私の思想と違う物を得ていてもいい、どうかこの小説に対し感じるものが1つでも多くあると、嬉しい。
そんなこんなで感想戦行きましょう。
構想は2時間、24枚入りの海外製チョコレートを食べていたら思いつきました。
ゆかりさんとあかりちゃん、略ゆづきずが書きたかったので書きました。
百合ってなんだろうなあって突き詰めた結果、琴葉でもゆづきずでもキャラクターってどっちでもいいなあって最近なっちゃいました。男性だから、女性だから、そういうのじゃなくてそもそも「あなた」だから好きになったって結論を持ち始めたからだと思います。
ただそこに行き着くと、一つ考えなきゃいけないことは増えるんですよね。
作中でもありましたが、女性同士の恋愛って血が途絶えるんですよね。今の時代に何言ってるんだっていう話ですが。
これに対しても突き詰めて答えは出していて、人は多分いつか滅びるんだろうし、早まっているだけかな、と。
小学生の理科でありませんでしたか?男女を分けるXY染色体は徐々にX染色体が増え始めていて、いつかこのままだと男性のY染色体が消える……つまり男性がいなくなる可能性がある、と。
まぁ物事はそんな単純な物ではないし、動物には進化というのがあります。Y染色体が途絶えようと、また今にはない別の形で種の存続が進んでいくのかもしれません。
けれど女性同士、男性同士の自由恋愛形式を推し進めている今、男女の結びつく機会が(多少強引な形 例として少し怪しいけれどお見合いのような恋愛への機会発展の消失等)消えていくというのは進化の機会も消失させていて、まぁいつか滅ぶんだろうなあとしか言えなくなってきました。
それに対して血を残すのではなく知を残すというのは科学世界に置いて美談的ではありますが、血を蔑ろにして知に頼ろうとする世界も不順というか不純というか。
長くなりましたが、じゃあゆづきずはそれに対し何を答えとして出すのか。
単純です。ただひとえに好きになってしまった、好きになった人へ誠実であろうとする。これが答えだと思っています。
これはゆづきずであろうと琴葉であろうと、私の中でのある種信頼のような形で彼女たちの思想はここに行き着くかと思いました。
今の世界、個人主義に誰しもが染まる中で日本人というのは結構な生きづらさを抱えやすい人種だと考えています。それは義理と人情を愛してきたお国柄と言いましょうか、仏教の生活様式が土台にある中でどれだけ敬虔な方々でも略式的な形で大抵を済ますことが多くなってきており(例 49日)……まぁ有り体に言えば縛られなくなった世界でどう生きるか!って話!
オープンワールドゲームで自由にやれ!言われても困る人はいるよね!
ルールを自分の都合よく解釈した人間がいるせいで自由の域が狭められてもしんどいよね!
彼女たちはノブレス・オブリージュ、とまで言うつもりはないですが、責任を感じて生きていくと思うんですよね。
作中「責めるのは畢竟自分自身」とあかりちゃんの描写がありましたが、ここが大事なんだと思います。
彼女たちに接する人たちは皆優しい。けれどそれは経験があるから、だと思います。大人で、苦労を知っていて、他人の苦しみも知っている人たち。それが彼女たちに優しさをもたらしてくれる大人達です。
彼女たちも多分、同じような経験はしていくでしょうし、作中の出来事だって間違いなく彼女たちにとってこれからの人生に多大な影響を及ぼす経験でしょう。
これは拙作星月の話ですが、他人に知られていなかろうが本来起こるべくして起こった事を自分勝手に変えることに彼女たちは罪の意識を背負っていきます。
今作も同一で、彼女たちは誰にも責められる事はしておらず、なんなら事故を起こす筈だった運転手達の事故を起こすという未来を消し去っています。それでも彼女たちは自分自身は悪いことをしたと思って共通の罪を背負っていく。
あかりちゃんの好きになったゆかりさんは「自由な人」と呼ばれていましたね。
それは自由に対する責任を持って生きていこうとする、そういう事を意識して生きていこうとする人っていう意味です。
ラスト、ゆかりさんはあかりちゃんにその「自由な姿」が愛されている事に気付いているし、それに伴った行動を起こします。
彼女たちは
「あなたがいて」「わたしがいる」
「わたしがいて」「あなたがいる」
そういう個人主義に倣った行動原理を持ちつつ、今ここに居る、そしていつか終わる時までの生きていく責任、並びに自分と生きていたいと願ってくれた想いへの責任を抱えていける女の子たちなのではないでしょうか。
そんな彼女たちの周りにいる大人も、そう生きていける、いいえ、生きていこうとしている人たちだったらいいなと願っています。
この小説は多分、祈りです。
彗星の如く 再編
11月10日(日曜日)開催、コトノハーズフェスタ8にてE-03で参加します。
— わたあめ@コトフェスE-3 (@Wataame_wawawa) 2024年10月25日
以下お品書きになります、ぜひお手に取っていただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いします~。 pic.twitter.com/ucgcBnFogF
また本を出しました!
11月10日にて開催された『コトノハーズフェスタ8』にて頒布させていただいた文庫本、『200マイルより先、赫耀のように』
及び、前回頒布数が少なかったため言及を控えさせて頂いた本、
『彗星の降りきる前に』
今回こちらの二点についてお話を出来たらと思います。
それでは感想戦、いつものように行ってみましょう。まずは200マイルより先、から。
今作、葵ちゃん視点で書きたいなと前々から思ってはいたので、葵ちゃん視点を軸に時たま補完を兼ねて茜ちゃん視点等を入れていきました。
あくまでも主人公は葵ちゃん。彼女が選択を選び取っていく訳ですが……
今回書いてて思ったのは、やっぱり葵ちゃんってかなり書きづらい、というか説明しきれない子だなあと。
※茜ちゃんの場合は目的意識がずっとハッキリと、1-2個しか彼女はずっと抱かない。だから凄く一緒に走りやすい。けれど葵ちゃんの場合は目的意識が彼女の中でも胡乱な状態であり、そもそも過ぎ去ってしまった物はもう終わったこと、と彼女は意外と……そう、以前も何かでお話しした通り、リアリストなんですよね。
これに関しては理由は分かりきっていて、自分の中で葵ちゃんという存在は自我がとても強く、茜ちゃんと違ってある程度一人で物事を決められる主体性があるんですよね。彼女の主体性というのはそこそこ意思が強固な、よく言えばまっすぐ、悪く言えば曲げれない意思を持っており、これこそが茜ちゃんを上回れる唯一性でありつつ、葵ちゃん自身が忌避している正体でもあります。
彼女はなあなあながらも自分一人で生きていけてしまう。
この物語の琴葉葵は琴葉茜のように一生引きずる事はあったとしても、普通に生きていけてしまう。それを薄々ながら理解している彼女にとって、全部、我儘でしか無い。傷つけを発生させかねない想いを抱いているだけに過ぎない。だって既に自己完結が生きる上で出来ているのに、そこに誰かを……いいえ濁すのはやめましょう。
琴葉葵にとって唯一、琴葉茜という一生の人生に巻き込んではいけない立場の人間を自分の欲求のためだけに巻き込む事を、彼女は、葵は良しとしない。彼女はリアリストで、茜と同じくらい自分の欲望に酷く敏感であり、一人生に対しての年数の少なさを感じ取ってしまっている。
それが琴葉葵にとってのある種、諦めのような心の縛りとして存在しています。
ただそんな葵ちゃんだとしても茜ちゃんの苦しみを知ったなら!!!!!振り払って走れるよなあ!!!!!!!!!!!!!
それが今作、200マイルより先、赫耀のようにとなります。
赫耀とは赤い煌めき。彼女たちにとって唯一の行き来の手段が200マイルの新幹線だとしても、心に持つは全てを置き去りに、いいえ、唯一の片割れを置いていかないだけの速さで追いつこうとする願いのような走りが出来るはずです。
どこまでもどこまでも走り抜けろ琴葉姉妹。空を突き抜け自分たちの居場所が台風の目になるくらいに、全てを今のためだけに過去にしてしまえるくらいに、いいや過去も未来も、全てを置き去りにするくらい速く、遠く。そんな願いを込めて書きました。
本作、色々な要素のツギハギに近い(と思っている)ためちょっと解説が難しいんですが、何となくでもいいので嫌さを感じてもらえたら良いなあって書いていました。
たとえば葵ちゃんの私室にはサボテンが出てきましたが、これは理想の夢に至った場合花が咲いてしまいます。サボテンといえば不器用な人でも育てられる植物として有名ですが、茜ちゃんという要素が彼女に加わった時、枯れはしなかっただけというのが葵ちゃんに対し打ちのめしてくるんですよね。
サボテンには枯れない愛なんて花言葉もありますが、彼女にとってほんのボタンを掛け知違えただけの未来では成就していた願いが沢山あったでしょう。
不貞腐れながらも連れて行かれた遊園地はきっと、一生の思い出になったのでしょう。
家事が趣味という姉が洗濯してくれたタオルや衣服からいい香りがし、アイロンや乾燥機にかかった物からは彼女の欲しかった温かみが手に入ったことでしょう。
ただ毎週、隔週出すだけだったゴミの日も姉と一緒に外に出る機会だった筈です。
料理ももしかしたら姉から教わっていたからこそ当番表があったのかもしれない。
葵ちゃんに突きつけられたのは、19年の歳月を持ってしても手に入らなかった未来とは、これです。
「嫌いにならないでなんて言わない、怒んないでなんて言わない、でも、でも、6年同じ言葉を 知りたかった、6年たくさんの初めてを知りたかった、3年努力して実る嬉しさと実らない苦し さを知りたかった、3年大人になる全部ひっくるめたドキドキを知りたかった。全部、一緒に知 りたかったけど我慢したの!!我慢して、生きてきて、でも、でも、私の体が弱かったのが悪い の、私の心が弱かったのが悪いの、でも…… っ」
6年、この世に生まれ、自分の足で立ち上がり、その国の言葉を覚え、喋れるようになり、字を少しずつ知りはじめ、時間を覚え、物の意味を知り始める。そんな沢山の時期が2人ではいられなかった。
6年、小学校という同年代の人と人とが繋がる時期、授業を通して知るいつかの興味に繋がるかもしれない数多の時間を1人で過ごし、もしお姉ちゃんが、もし葵がいたらと他者を知る度に幾度も夢想したでしょう。
3年、遅めながらも初めての身体の変化に不安を覚える時、傍にはお姉ちゃんは、葵はいないという事に少しずつ慣れている事に痛みを覚える時期でもあるかもしれません。中高一貫のため彼女たちは先んじて受験をしていたのかもしれません。そんな沢山の不安の中でもやはり自分一人。勉学の難易度も上がり、思った以上に自分の努力が実らずに悔しさに似た苛立ちすら覚えた時期もあるかもしれない。
3年、心が少し落ち着き始めた最中、周りが恋などを知り始めた時期、ずっと想い続ける相手へ恋なのかどうか悩む時期すらあったかもしれません。心で分からないことが今までよりずっと増えたかもしれない。
19年というのは……葵にとってずっと想い続けた時間そのもの。
そして同タイミング。茜ちゃんはあくまでも葵ちゃんと過ごした日々をスマホを通して知ったに過ぎません。
※理想の夢の茜はどこかのタイミングでまた現実の自分が入れ替わるであろう事を想定し、メモを自分たちのために残している
この理想の夢では琴葉茜はきっと葵ちゃんがなぜ入院に至ったのか突き止め、その上で問題解決を図れたのでしょう。ぎこちないながらも再スタートさせた日々。きっとそこには葵ちゃんにとっての理想だけでなく、茜ちゃんにとっての理想も混じっているでしょう。一緒に、いいえ、自分にとってだけでなく彼女のために使うことを想像した家具。病院で一緒に泊まりたいなんて言っても叶わなかった過去があるからこそダブルベッドにはきっと子供にとっての二段ベットのように羨望があったでしょう。彼女に食べてもらうご飯だって、茜ちゃんにとって健康を考えた日によった献立があったはずです。
なのに、突きつけられたのは自分の作った記憶のないご飯においしいと、涙をなんとか拭った後の顔で笑みを浮かべる妹の姿。
互いにここのシーン、ズタズタで、嫌で、嫌で、どうしようもない場所として上手く作れたでしょうか。
僕はここのシーン最低最悪に作れたと思います。ハハ。
ここ、2人はまだ未来を諦めていないんですよね。いつか必ずと、互いに願いを持っている。だからこそ2人は余裕が無くなってしまう。
なぜなら2人が思い描く願いが叶った時にあるべき景色とは、彼女たちにとってひとえにたゆまぬ努力をした結果の物として欲しいのであって、簡単にポンと出されてしまえば自分自身の否定に繋がるから。
十で神童~云々はコロンブスを考えていました。
これが正しいと教わってきたはずなのに、今では違うと言われるどころか180度真逆の事をきちんと知識として知っていなければ、義務教育の内容全てを把握していなければ後ろ指を簡単に刺される時代となりました。
皆さん覚えていますか?食塩水濃度の計算を。またはミシンの使い方を。または48都道府県の位置名称及び特産を。または英単語の比較級、最上級を。または漢字の部首や書き方、熟語の構成を。またはまたは……
全部常識らしいですよ。怖すぎますね。
そんな中茜ちゃんはせめて一人には正しくあろうと、誠実であろうと努めていると書かせていただきました。それは多分、凄く難しいことだと思います。分かった上で彼女はそれを言っているのがどうしようもなく愛おしいですけれどね。
これを愛と呼ばずしてなんと呼ぶのでしょう。
もう一個のシーン、最終章の灯籠を流すシーンについて語らせてください。
ここ、葵ちゃんは目を瞑って祈る茜ちゃんを想像し、茜ちゃんは静かに眠ってしまっているんですが……。
茜ちゃんが葵ちゃんの横で眠っている時って、基本作中では式後の夜なんですよね。つまりは彼女にとって祈りとは死後の葵ちゃんの隣で眠ること。
逆に葵ちゃんにとって祈りとは隣で眠る茜ちゃんの姿。
正直2人の関係性にもうこれで答えでいいですか……?思って書いてたんですが、夢ラスト
「もう、夢で死ぬのはこりごりかも」
これは
「うちは、好き。葵の事が、好きなん」
への返答として……今でも分かんないな。でもこの夢という互いに共通した過去の場所で言う物としては最適解かなと思いました。
月が綺麗ですね、私死んでもいいわ、このまま時が止まればいいのに……沢山ある中で何かを模した答えではなく、この場に辿り着いた葵ちゃんだからこそ出せる言葉
「もう、夢で死ぬのはこりごりかも」なんじゃないでしょうか。加え最後の
「今日バイクの後ろに乗ってもいいよ」という言葉。これって台風の目の真っ只中、加え彼女は浴衣を着たまま。事故が起きかねない中連れ去って良いという言葉だと思います。
多分この作品はまだ、恋も愛も始まれてすらいない、でも愛は確かにあるんじゃないでしょうか。
「――まぁ、すぐ追いつくよ」
「……ちゃんと、待ってるからね」
これは葵ちゃんが目を開いてしまった時、ちゃんと茜ちゃんが子供の姿から追いつけて隣に、対等になれたタイミングのセリフだと思います。
彼女たちはリアルタイムでこそ同じ時間でも、精神がやはり夢のせいでズレている。
僕はそれを魂の寿命のズレと認識していますが、多分幾星霜生まれ変わった時を過ごした時、ここのズレで彼女たちは別々の死を迎えてしまうんじゃないかなと思ってしまう。
なので2人は今生の誓いとして追いつく、待っている。そんな言葉を交わす。
どうでしょうね。やっぱりただ夢のズレ分茜ちゃんが頑張って葵ちゃんの元へリアルに辿り着けただけかも。2人にしかここは多分わからなくてもいいかもと思ってセリフだけにしました。もしセリフだけでも情景が浮かべていたならとても嬉しいです。
あともう一つ。これは……削った部分でもあるのですが、茜ちゃんの関西弁、作中でなるべく僕は関西弁と言及を控えています。
なぜならどの作品でも琴葉茜は関西弁を使っていないので。
ののはのでこちらに関してはかなり言及しましたが、茜ちゃんは簡単に葵ちゃんとの共通点である標準語に近い言葉を捨てるか……と言われたらNoだと思っています。だからこそ茜ちゃんのシーン、常に心情では「私」と「標準語に近い言語」を彼女自身が扱っています。時たま素が出て「うち」と使いこそすれど、彼女は「私」が心の一人称なんですよね。
そのため、葵ちゃんが正しく関西弁を聞いた場合、姉とは違うという違和感を感じ取るかと思います。
それを作中で出そうかと思いましたがやむを得ずボツったんですが……。代わりにエキストラとして関西弁……に似た言語を扱う方々を出しました。
ここ、夢なんですよね。夢で関西弁に似た言語って、葵ちゃんにとって関西弁=優しさの象徴として存在しているからこそ、出てこれた人々かなと思っています。
(今の世界って結構冷た目な人多い中でも、きっと書ければそういう人が増えたらいいななんて願いも籠もっていますが。あと冷たい人ばかりではないときっと願いたかった)
200マイルより先、赫耀のようにはこの辺りでよろしいでしょうか。
ゆづきずに関しては、葵ちゃんの力の本質は、などあるかと思いますが……それはまた別作品で!またあるのでね!
さて続いて『彗星の降りきる前に』
これはTwitterで纏めていたものをきちんと形にしたものですね。当時ZTF彗星が流れてくる状況であり、それと同タイミング、1日1話形式で作っていたものになります。
夢十夜みたいですね。(コトフェス8直前に読みふふ、となりました)
これは短い話のためあまり語ることはない……のですが一点だけ。
33P~ラストですね。
「わたしと、おねえちゃん。一緒に叶えたい願い事を言うの。三回…… 全部一緒なら、きっと叶うって」
三回全部。その言葉を境に葵の心拍数が上がる。本当に…… 最後まで妹は、私と同じでいじっぱりで、怖がりで、わがままだ。
「…… ふふ、いいよ。三回ね?」
「…… うん、三回」
ふっと互いに息を吐き出す。それから私は葵に抱きしめられていた手を離させ、右手に右手、左手には左手を合わせ、指を組むような、願い事をするときのような手の形にさせた。
また、葵と一緒にいられますように。
お姉ちゃんが離れても、元気でいますように。
その願いを、二つ分込められるように。
互いに息をもう一度吐き出し、思いっきり息を吸い込む。それから「「せーの」」と言葉を合わせた。
「「また元気になったら一緒にいられますように」」
「「また元気になったら一緒にいられますように!!」」
「「また元気になったら…… !!一緒にいられますように…… !!!!」
ここ、とても大好きなんです。まずこの作品、かなり葵と茜が少しずつ重なり合う事を意識していて、互いが互いのために願うような願いの言葉を口にします。
そうして最後、「……うん、三回」の後に
右手には右手 左手には左手……と描写していますが、これ正確に読み取るとおかしいんですよね。右手に重なるのは左手なので。
つまりここ、茜と葵で心理描写が重なっているんです。右手と右手を動かし、左手と左手を動かす。鏡合わせのようにお互いが重なり合うんです。
そうして3回同じ願いを言葉にする。
それだけで、今回感想戦を終わろうと思います。
また次は1年後に!
今回コトフェス8に出る機会となった熱量をいただけたコトフィル関係者様、ヒロ様、赫耀のネタとして拾わせて頂いたぼたもち様、様々な方々に感謝を。
そしてまだまだ動画や小説など、創作を続けたいと思わせてくださる沢山の関わりに感謝を。
私の何かから熱を貰ったからと言って貰えてとても嬉しいです!まだまだ色々やります!締め!
蒼星 外核
また本を書きました。
5月3日にて開催された『声音の宴3次会』にて頒布させていただいた新書本、『忘れ時の蒼星』略称『蒼星(そうせい)』。
今回こちらについてお話を出来たらと思います。
……と言いたいのですが、今作は諸事情により前後編となっており、後編はまだ先の11月頒布予定。
そのため中身に関してはざっくりと、「これから先」という部分に焦点を当てた話をさせていただこうと思います。
それでは前作ののはのと同じ様に感想戦、行ってみましょう。
まず本の手触り。
今回はマットPP加工(ののはのの初版と同じ加工)をカバーにさせていただいてるのですが、やっぱりいいですね……。
マットPPは感触がほんのり人肌に近くすべすべしており、手触りが正直好きです。触れてる、という感覚の体験がかなり強いので。
それはそれとして、今回は締切がののはのの時とは大きく違い、3週間ほど前倒しの状況になっていました。そのため二版で行ったベルベットPP加工を断念しています。(本当は今回もベルベットにしたかった)
前編と後編、今回はギミックとして2冊両方を持っている場合に……という体験を用意しているため、ベルベットPPに関しては通販含め行わないと思います。(ある程度共通の体験を手に入れた人にはしてほしい、というのが今回に限っては強いため)
それでもマットPPは妥協した、みたいな気分にはならず、本当に良い手触りで凄く好き。撫でたくなるような質感と、イラストの質落ちがし辛いのが加点ポイント高いです。
そして見た目。
今回もナごと先生にお願いして描いていただきました。

めちゃ良です。(後編へのネタバレがありすぎて多くを言えなさ過ぎる)
今回お願いさせて頂いた表紙のテーマとしては
『結月ゆかりが最も欲しかった、その上で手に入らないからこそどうしようもないほどキラキラと美しく』
です。
本作、忘れ時の蒼星は『土台』がどこまでいっても付きまといます。
それはなぜかと言えば主人公たる結月ゆかりには踏む足場すらない、謂わば宙に投げ出された状態でただ死を待つ(※1)だけの存在だったからです。
本作結月ゆかり、偽名結月雫は一章の時点で判明しますが、両親を最悪な形で亡くしています。ゆかりはそれに対し「私がパパとママを殺した」と前編ラストまで幾度となく明言しており、ゆかりにとってこれから先、何があろうとその一点は揺らぐことのない、心に刺さった釘のような物となっています。
ですがその釘は紲星あかり、偽名紲星かがりが出会った時点で錆となり、毒としてゆかりの思考と心を侵していました。
元来のゆかりはまっすぐ、朗らかで、自信に満ち溢れた強く、優しい少女です。
しかしプロローグ~一章、そして前編終幕までの間、その姿は垣間見えこそするものの、どちらかと言えば自我を守るための防衛的行動……端的に言えば幼子に近い行動をあかりに対してしていきます。
この様子を踏まえ、話を進めていきましょう。
まずプロローグ。
結月ゆかりは極度に会話が出来ない状態になっており、謂わばゲームの選択肢式の会話を想定した話し方しかできなくなっています。
それは両親の死に対し『自分の発言』が結果として関わっているため。
一章 P51-52
「葬式の日、私はたくさんの憐れみ、と言えばいいんでしょうか。そんな目を向けられました。幸い祖母が健在だったので施設とかそういうのは無かったですけど、それでも父と母をいっぺんに亡くした子供というのは、やっぱりそういう風に見られます。それがきっと普通なんでしょう。でも私はあの日、その雰囲気が吐きそうなほど気持ち悪かった。だって、だって違うんです。パパとママが亡くなった本質的な理由は、不憫とか不慮とか不運とかそういうものじゃない。そうじゃないんです。なんで頭のいいパパとママがあの日に、自分たちの車で帰る事を決めたかって、選んだかって、私のせいなんです。私が、パパとママに選ばせたんです。パパがクリスマスには帰るって言ってくれてたのに、私は誕生日は家族で過ごすものだって、そうパパとママが前に言ってたってごねたから、だからパパは無理して仕事を終わらせて帰ろうとして、ママだって仕事が忙しかったのにパパを迎えに空港までいって、豪雪によるホワイトアウト?違うの。路面凍結による事故?違うの!私が、私がパパとママの運命を変えたの、私がパパとママの命を奪ったの。私が、パパとママを殺したの。 ―― だから、私は皆にそう言ったんです。私が二人を殺したんだって。私は被害者じゃない。私が、私の責任で、二人は死んじゃったんだって。…… それから、ずっと一人で過ごしています。みんな、私に近寄らないので」
―― でも。そう言葉を付け加える。
「自分で選んだのに、自分で招いた事なのに、言ってはいけないと、口にしてはいけないと、思ってはいけないと分かってるのに、分かってるのに…… 苦しいんです。こんな自分は誰とも関わっちゃいけないと思って一人でいるのに、家に帰るたびに苦しくて、胸が痛くて、身体が寒くて、こんなこと、私は思う資格なんてないのに、
それでも―― 」
――寂しい。ああそうだ。私、寂しいんだ。ふっと浮かんだ言葉は、心にストンと落ちた。その言葉が浮かび安堵した瞬間、身体が浮いてしまうんじゃないかと思うくらい強く引き寄せられ、次の瞬間にはもう、隣りにいた彼女に痛いほど強く、強く、身体の芯が折れてしまいそうな程に強く、抱きしめられていた。
そう、物語の始まりからゆかりは死を引きずり続けているのです。
中学1年生のゆかりは一人、ずっと両親を亡くしてからの一年間、両親が死んだ原因と向き合い続け、両親の死を直視しようとしている。
にも関わらず、結月ゆかりは両親の死と向き合えたことはありません。
※ゆかりはあかりへと作中の色んな所で両親の死後に関する一年の話をしますが、ゆかりにとって実家たる家には仏壇が無く、葬式も最後までその場にはきっと居ることは出来ず、墓参りもできていない。
三章 208P
私はその手を握り返しながら、言葉を選び続ける。
「篝さんに教えた通り、私はパパとママを殺しました。…… そんな怖い顔しないでください。やっぱり私の中でそれはずっと、変わらない事なんです。私が生きてる限り忘れもしないし、毎日でも思い出すことなんです。…… でも正直、本当は、結構しんどくて。だってパパとママが生きていた頃の記憶は家にも、この街のどこにも、無い所が無いんです。少しずつ霞んでいくのかなって思ってたけど、声も表情も、香りも仕草も、思い出せる場所しか無いんです。パパとママに謝りたいって思っても、家には仏様もいないし、一周忌があるって分かってても呼ばれることもなくて。あ、篝さんは49日って知ってますか?追善供養ついぜんくよう
って言うんですけど、人が死んでから49日間、毎日お参りするんです。天国に行けますように…… って。今の時代だと毎日なんて難しいから、49日目にお参りするのが普通らしいですよ。私は、何にも出来てないですけど」
ぎゅ、っと手が痛いくらいに握られる。また自暴自棄になり掛けていた訳ではない。私は、この一年を彼女に
知って欲しいのだ。何がずっと、私は出来なかったのかを。
上記でゆかりは追善供養の話をしていますが、なぜ彼女がそれを知っているかと言えば、両親の死と向き合うすべを調べたからでしょう。
本作結月ゆかりは非常に利口な子です。作中でこそ精神的に不安定な幼子の姿を多々見せますが、自分が今のままではいけない、両親のためを思えば前を向き生きていかなければいけない……そんな答えにはとっくに辿り着けている筈です。
ですがそれ以上に誰も手を差し伸べないどころか、両親の死と関われる機会を遠ざけているのがゆかりの周りの大人達。
もう少しゆかりが大人だったら、もう少し先の話だったら彼女はきっと乗り越えられていたかもしれません。でもそうはならなかった。
中学一年生というゆかりにとって多感な時期の始まる前に、それを支える土台は消え去り、ゆかりは助けてという言葉も失い、両親を亡くした日の象徴として雪をもトラウマとして持ち、ただただ無為に死を見つめ死を待つだけだった子。それがこの時の結月ゆかりでした。
ゆかりにとってそれはひとりぼっちで宇宙に放り出され、転んだまま起こしてくれる人も、自力で起き上がることも出来ずただ足掻いて残りの酸素を消費するだけ、そんな孤独に包まれた失意の状況だったでしょう。
けれどそんな状況でも彼女は誰かを恨むことはせず、やはり憎み、恨み、傷つけようとしたのも自分という存在に対してだけでした。
そんな中、彼女の前に現れたのが紲星かがり(偽名)
☆ 224P
―― だけど。
「…… 私は多分、あの子に対して何があろうとする事も言う事も変わんなかったですよ。あんな子、放って置いてるほうが、ふざけてます」
二章 101P
彼女の……ゆかりさんのご両親は、私に何を思うだろうか。その立場を一瞬でも奪う私に、盗っ人とでも蔑む
のかもしれない、ありったけの罵詈雑言を、いつか私に訴える日が来るかもしれない。そう遠くない未来を想像するだけで胸を酷く締め付ける。
「ねえ、雫さん」
しかし、それでいい、それでもいい。
「お腹、すいたでしょう?温かいの、用意したんです。ちょっと作りすぎちゃったんですけど、一緒に食べま
しょう?」
私は決めたんだ。もう、彼女に何も失わせないと。彼女が望むのなら、彼女がしてくれた全てを尽くす事を。
「ご飯を食べたらこれからの事も話しましょう?必要なもの、きっといっぱいあると思うんです。それに雫さ
んの事ももっと、沢山のことを知りたいです」
だから、どうかお願いだから――
「どう、でしょうか。雫さん」
―― 今だけは、彼女を誰よりも愛することを許してください。
二章 109-111P
「ご両親にとっていっぱい食べて欲しいと思うのは、雫さんに大きく育って欲しいという愛情そのものです。でもそれだけじゃなくてきっと、健康にも育って欲しいと思うんです。…… 雫さんにアレルギーが無いと分かってるのは、ご両親がそれだけ沢山の食べ物を雫さんの口に一口だけでもと触れさせてきた、そんな努力の証だと思います。同じ様に、雫さんにとって苦手な食べ物が分かってるのは、雫さんに健康であって欲しいと願って身体に良い食べ物を沢山雫さんに触れさせてきたから。…… 雫さんはどんな食べ物が苦手ですか?」
紲星さんの質問に言い淀むが、彼女は「大丈夫ですよ」と言ってきたため、ちゃんと伝えることにする。
「…… ピーマンと、玉ねぎ」
「ふふ、私は人参が苦手です」
「えっ?」
人参、こんなにごろっと入ってるのに?そう思い思わず声を上げてしまうが、紲星さんはスプーンで人参を
掬い上げ、ぱくりと口にした。それからゆっくり咀嚼してから飲み込み、また話始める。
「私、一時期本当に食べ物がお腹に入らない時期があって、正直食事そのものが苦手だったんです。でも、少しでも多く、少しでも身体に良い物を食べさせたがった人がいて、こうやって苦手な物が入ってても食べれる調理法も、必死に考えてくれたんです。雫さんのあげた料理も、多分一緒だと思います。ご両親が雫さんの大好きな食べ物、身体にいいけど苦手な食べ物を見つけて、その上で雫さんに両方食べて欲しいから、小さく刻んで混ぜ込んでたり、溶け消えるくらいに煮詰めてたり、気付いても気付かなくても、それを雫さんがいっぱい食べてくれる。それがきっと雫さんの知ってる『家族みんなで食べるご飯』だと思うんです」
―― ねぇ、雫さん。と紲星さんは言葉を続ける。
「私も、雫さんにいっぱいのご飯を食べて欲しいと思っています。それはご両親の想いとは少し違うかもしれませんが、でもする事は一緒です。雫さんにおいしいと思ってもらえる物を作って、その上で雫さんが日々健康に生きていけるような、栄養のある物を食べて貰いたい。なんでかって…… 料理はおいしいと言ってもらえたら、安心出来るから。付け加えるなら、雫さんにおいしいと言ってもらえたら、とても嬉しいからです。作ったものを口にして貰えないのは、とても怖い事です。だって口に入れて貰うというのは信頼が必要で、信頼が欠けたら生きる糧を口にしてもらえなくなってしまうから。―― 雫さんのご両親も、同じくらい悩んで、日々ご飯を用意してきたはずです。そうじゃなきゃ雫さんの口から『家族みんなで食べる』なんて言葉、出てこないと思います。きっとそれだけ…… 雫さんに伝わっていたくらい、ご両親は大事にしていた部分だと思うから」
―― だからね、雫さん。息を吐くように、紲星さんはまたふわりと笑う。
「あなたが食べてはいけないものなんて、何一つ、決して無いんです。これから雫さんは、そうやって沢山、沢山嫌でも向き合う物が出てくると思います。だってそれだけ沢山、ご両親はあなたに多くの物を遺していってしまっているから。与えたもの、与えきれなかったもの、与えたかったもの、その全てをきっと、知っていく日が来ます。でも、そのどれもがあなたを確かに愛し、慈しんだ全てだから―― 怖がらなくていい、不安にならなくていい。あなたは、受け取るべきです。これからご両親の事を、きちんと知るために」
―― それにね。雫さん。と彼女は同じ様にしんしんと語り掛けてくる。
「私、雫さんと一緒にカレーを食べたいです。ご飯はやっぱり、誰かと一緒に食べた方が、ずっとずっとおいしいですから」
―― どう、でしょうか。
二章 131-132P
「雫さん」
「…… はい」
彼女の呼びかけは変わらず酷く優しげだった。扉の向こう側なのにやはり、彼女の声はずっと凛と響き聞こえる。
「私、あなたを愛しています」
「…… は、い?」
だからこそ耳を疑った。決して聞き間違えではない、彼女の言葉に。
「何を言っているか理解出来ないと思います。でも私、これからもあなたに嘘を吐き続けるからこそ、ここだけは信じて欲しいので言います。…… それを前提に聞いて欲しいのですが、私はあなたと一緒にいられるだけで嬉しいし、たった一言の会話でも春の日向のように暖かさを感じます。あなたが悲しんでいるなら涙を拭ってあげたいし、怒っているなら抱きしめたいとすら感じます」
三章 185-186P
「昨日伝えたように、これから雫さんは沢山、沢山向き合う物が出てくると思います。それは云わば成長痛のようなもので、雫さんが一年間止めてしまっていた時間分、嬉しいこと楽しいこと、悲しいこと怒りたくなること、その全てが一人で処理できないくらい、わっと一遍に雫さんは感じてしまって、きっと心はぐちゃぐちゃになってしまう機会が沢山あります。雫さんは人一倍目が良いので、きっと遅れを取り戻すように頭も、心も、身体もどんどん大人になろうとしていきます。でもそれは本来小雨で当たるべき痛みや苦しみが、バケツをひっくり返すようにあなたに降り注いでしまうのと変わらない。癒える筈の小さな傷も、消えない傷として遺れば違うものになってしまう。こうやってたった数日でも何度も私達は衝突していますが、私は雫さんがやりたくてやっている物ではない、というのは理解しているつもりです。それだけあなたは周りをよく、しっかりと見れています。見過ぎて億劫になってしまう程に」
紲星さんは頭を撫でるのをやめ、私の下がりきっていた両手を掴み、両手で包むように握る。
「私は雫さんを支えられたらと思っていますが、あくまでも精神面、健康面でしかあなたに関わることは出来ません。どこまでいっても、やっぱり私達は他人だから。でもね、雫さん。雫さんが必要以上に感情の琴線に触れてしまうのは、私を通して雫さんが欲しかったご両親の何かを求めてしまっているからだと思います。それは私としては…… どちらかと言えば嬉しいです。そういう風に想って頂けているのも、凄く幸いです。だからこそ私は、雫さんに冷たく、火傷してしまうような正しさでも口にすると思います。それは雫さんが必要以上に傷つく日が来ないための麻疹みたいな物ですが、それでも私の言葉に傷つかないでとは言えません。なので…… 私の言葉に対し、雫さんが言い過ぎだと思ったり、怖かったと思ったら口にして貰いたいです。私はやっぱり、どこまで行っても親を経験したことはないし、お姉ちゃんの記憶を元に理想の年上をしようと努めているだけに過ぎないから、雫さんにとって100の本来傍にいるべき大人をやれる訳では、どうしてもないから。…… だから、ええと…… 」
多く、本当に多く台詞がある中、一部を抜粋させていただきました。
偽名を使うあかりはゆかりに対し『他人』と言いつつ、ゆかりに対しひとえに誠実であろうとたくさんの言葉を重ね、異常なまでに多感なゆかりと衝突し続けても、言葉を紡ぐ事を決して諦めたりしません。
そんなあかりに対し、ゆかりは酷く頭を悩ませます。
私は謎に傍にいてくれる彼女に何を望んでいるのか、と。
あかりはゆかりへ『愛している』と理由を言いこそすれど、想いをゆかりに理解してほしいといった行動を取るわけでもなく、『他人』であるという言葉を使い、ただひたすらに結月ゆかりが一人で立ち上がれる状況を構築していこうとします。
それはまさしく足をつくための『土台』が消失してしまっている結月ゆかりにとって必要な物でありつつ、ある種紲星あかりに依存しかねない状況にも関わらず、あかりは一定のラインを元にゆかりとの関係を保とうとするため、
ただゆかりが辛く苦しい時は、涙尽きるまで抱きしめ、
ゆかりが何か悩み恐れる時は、ゆかりにとって最も必要な答えを模索し、
紲星あかり自身が心情で明言している通り、そのやり取りは『家族かつ親』の在り方に近いものです。
けれどゆかりはあかりに対し親代わりを望むことを言葉でも心情でも拒否しています。
前編中、結月ゆかりと紲星あかりは数え切れない程衝突を繰り返します。しかし全く同じ衝突はしていません。
なぜなら一度の衝突でゆかりはあかりの事を理解し、またあかりはゆかりの在り方を理解し、互いに何が誤解なのか、何が衝突の原因となったのか、何が本来緩衝材として存在し、自分に足りていなかったのかetcetc……衝突のタイミングで二人は大抵近いやり取りを行い、衝突が起きないすり合わせをしています。(しきっている訳では決してない)
あかりは鯛焼き喧嘩の際、ゆかりへの叱りを途中で切り上げます。それはあかりにとってゆかりとの衝突とはあくまでも対処療法に近いから。
後編へ差し込んだ話となってしまいますが、紲星あかりは結月ゆかりと長く一緒に居られると思っていません。限界値として精々半年、というのが彼女の見込みとなっています。
そのためあかりは半年で自分が存在として居なくなっても、結月ゆかりが最低限生きていける未来を想定して動き続けています。
つまりあかりにとってゆかりとの衝突は既に衝突出来た時点で達成事項が存在しており、もし自分以外と同じ衝突をしそうになっても思い出し踏み留まれる、思い出し俯瞰した挑み方を出来る……。
後編に何が携わってるかと言えば、結局あかりがしていることは自らがゆかりにとっての踏み台として、『土台』代わりとして存在することに他なりません。
そんなあかりに前編を経て成長したゆかりが、立ち上がり方をようやく知り、後編へと進む事が出来たゆかりが、あかりのそんな在り方、関わり方に肯定できるかと言われれば……
だからこそゆかりはあかりに関係として何を最も望んでいるかを悩みます。
愛とは何を持って証明とするのかを考えます。
彼女にとって、ゆかりにとって独り立ち出来た時、最初に向き合う事になる存在は紲星かがり(偽名)。
―― 大丈夫。そう、今の自分に、心で言えた。
「私、頑張るから、生きて、ちゃんと生きて、あなたにも、パパにも、ママにも、抱きしめられた時に自分なんかが、って、思わなくて済むくらいに、思わなく出来るように、頑張るから、友達作ったり、勉強も運動も頑張ったり、将来とかよくわかんないけど、でもあなたの『愛してる』って言葉にいつか、私なりの答えを出せるように、頑張って、生きてみるから、だから、だから、だから…… っ!お願いします…… っ私の傍で、私のこと…… っ、見守っててくれませんか…… っ?」
あの日、篝さんと明日と約束した場所。その場所で私は頭を下げた。
忘れ時の蒼星・前編は全てが土台です。本当は後編と分けたくないくらいに土台です。
この言葉をあかりへと告げるまで辿り着けた結月ゆかり雫を、出来ることならあかりと同じ様に見届けてもらえたら嬉しいです。

物語に出てくる子は、きっとこの物語をバッドエンドと言うでしょう。
ですがハッピーエンドを諦める子達ではきっとない。
どこまでも弱く、それでいて強く在れる子たちの話をよろしくお願いします。
後編予定:11月ゆかりコレクト