わたがしをつくる

目の隈が永遠に抜けないままなにか書いている。

星を廻せ、月を廻せ、双子星!

またしてもお久しぶりです。解説のわたあめと申します。

さて、本日はこちら。

 

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本当に長らくお待たせしました。

 

ついぞ投稿します詐欺をし続けた5話を投稿しましたので、内容をざっくりお伝えできたらと思います。

 

もう既にご覧になられた方々……いや、4話後編が2年前の2021年7月11日に投稿したため、実質5話終了まできっと数多くの方々がどこか遠くへ行ってしまったかもしれません。

ですがそれでもこの子達の行く末を見守る人が残ってくださるのなら、新たに声を聞き届けてくれた人がいるのなら、書きましょう、この子達の想いを。願いを。

 

 

さて、5話前編の内容……『sideA』『sideB』と分かたれた5話前編。

 

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はじめに言います。どちらも見てほしいです。

AとB、どちらも彼女たちに実際にあった出来事として捨てないと決めたので。

 

その上で言います。Bが正規ルートです。

前編B→中編→後編が今回想定ルートです。Aは最終話まで置いといてください。

 

ここの理由を軽くまず触れたいのですが、『A』は琴葉姉妹が最短ルートで結月ゆかりと紲星あかりの問題へ関わりに行っています。茜と葵は『親』と関わる事で子供のままで居られず、精神的大人になった上でゆかりとあかりに接触をします。

だからこそ、この『A』ルートは琴葉姉妹が強すぎるのでボツになります。

 

何が言いたいのかと言えば、まだ茜と葵には足りない物があるんです。それは

 

『あかりの死を回避したいという欲求』

 

です。

 

それを踏まえ『B』の展開を紐解きましょう。

茜と葵は『親』に頼らず、『2人』だけでゆかりとあかり、1対1の対話へと持ち込もうとします。(通話しつつというズルをしながら)

この対話ですが、5W1H……ようは6の質問で

Who(誰が) When(いつ) Where(どこで) Why(なぜ) What(何を) How(どのように)

その最終答案として

Then(どうなった)

を得る形で、茜はゆかりと、葵はあかりと深い関係を築く『対等』という回り道をした上で事情を聞き出そうとします。

 

その上で2人が親友手前の関係性を手に入れた時、まず彼女たちは前提として

 

『あかりの死を受け入れる』

 

この思考をした上でゆかりとあかりにスマホを手渡します。

 

ここです、ここなんです、彼女たちの思考がAとB、作り直す必要があったのは。

 

『A』の琴葉姉妹とは、理想を追求する思想を得た2人なんです。

『B』の琴葉姉妹とは、現実に即した上で最善を求める2人なんです。

 

なぜそんな事が起こるのかと言えば、茜と葵はゆかりとあかりの知識と経験、そして思想が大人になる上で最も多大な影響を及ぼします。

その2人がまだ、まだ背伸びをした大人しかやってないのに『A』の思考を得れると言われればNoなんです。

7月7日……紲星あかりが死ぬという変えられない運命の中、彼女たちはそこで否応なく判断を求められます。きっとそれは経験として酷く辛いもので、同時に彼女たちが1人の人として明瞭な自己を得てしまう機会でもあります。

 

その『記憶』が必要なんです、Aには。

ないんですまだ、これが。

 

端的に言います。琴葉姉妹はゆかりとあかりの『諦め』を強く引き継いでしまっています。だからこそ、だからこそ2人により必要なのは『諦め』ではなくうち/私だったらの思考なんです。

茜と葵はまだ絶望を知りません。それは得てしてゆかりとあかりが覆してしまったため。

ですが……いつかその日が来た時、きっと2人が、茜と葵がゆかりとあかりに反抗して、その上で『友達』ではなく『親友』となれる子だと、信じたい。

 

 

さあ次は中編の内容について触れていきましょう。

舞台は2学園合同行事『春祭』です。

結月ゆかりがなぜ開催したのかを言及するシーンがありますが、

 

ゆかり01

テーマとしてここには『夢』があります。

ゆかりが描く『夢』とは『未来』そのもの。

彼女にとって『未来』とは『生きる事』に繋がります。

0~5話を見た方は分かると思いますが、星月、結月ゆかりの思想や過去が明確に隠されています。なぜかと言えば、結月ゆかりはまだ主人公ではなかったから。

0~5は実質あかりちゃんが主人公の話だと思ってくださって大丈夫です。

5話後編を経て、主役交代。

 

……紲星あかりは色々背負うものあれど、一番気にかけていたのが琴葉姉妹という存在でした。彼女たちははっきり言って幾度もあかりだけではどうしようもない現実を突きつけられ、生きるのも苦しい未来を歩む運命にあった子達です。

だからこそ抗えない死をあかりは非常に恨みます。琴葉姉妹の事をどれだけ願おうとたった半年しか見守ることができないため。

 

ですが4話後編、そして5話を経てあかりは自分以外の未練が消えます。

なぜかってゆかりがいることにより、茜にも葵にももう、「私がいなくなっても生きていける、大丈夫」と思えるようになったから。

この時点であかりは無理をして主人公のような存在でいる必要がなくなり、

『ただ1人の寿命を抱えた女の子』という存在になります。

 

謂わばヒーローからヒロインになった女の子の元に、一番最初に権利を渡されたのが結月ゆかりなんです。

 

……ですが、あかりが自分以外の悩みを抱えていたように、また結月ゆかりも自分以外の悩みを持っていました。

ゆかりは作中最もメンタルが弱く、だからこそ幾重にも保険を掛けた行動をします。

結月ゆかりとは

ゆかりの過去を知っているのは現状『紲星あかり』と『東北ずん子』のみです。

その中でずん子はゆかりの事を性格が真逆と評価しました。

そして同時に、結月ゆかりは今回の時間軸を除き、琴葉姉妹やあかりにまともに関わってるとは言えないと『5話前編』の内容や『4話後編』のあかりから言われています。

 

つまりこの時間だけ結月ゆかりはかなり例外的行動をし続けており、むしろ元来の性格として彼女は表に出るのが苦手な子なんです。

 

加え

 

結月ゆかりとは2

かなりの高頻度でゆかりは涙を見せ始めています。

それも感情が昂りやすくもなってきており、(茜の前では余計に)実際的に言えばもう結月ゆかりはメッキが剥がれ始めてきている状況と言っていいでしょう。

 

茜はそんなゆかりに叱責をし続けますが、この厳しさはゆかり譲りのものです。

彼女は『茜としての私』と『お姉ちゃんとしてのうち』を心に抱えたまま生きると決めた子。そんな『理想』を強く描けたのは、ゆかりからの優しさと厳しさがあったから。

だからこそ茜は出来うる限りの言葉と行動をゆかりへ渡します。

 

ゆかりは全く自分のことを明かしません。けれど最も気を許し、その上で理解してくれる人がいます。

それこそが琴葉茜という友達。少ない言葉で痛みも苦しみも理解し、何が必要かを見定め、見届けてくれる……。そんな子が茜なんです。

 

茜はゆかりに必要な言葉を全て言ってのけます。

ゆかりと茜

『うち』としては恋人である葵のための行動がなにより重く、けれど『私』としてはどうしようもなく前を向けなくなってしまったゆかりに立ち直って欲しい、そんな二重の思考を取れる子だからこそ、茜だからこそゆかりは責任を全て放り出し、あかりという1人の女の子の元へ向かうのです。

それはヒーローの行動ではなく、ただ1人を想っての行動。

だからこそ茜ちゃんは……

 

茜の心

茜のこの選択は葵ありきです。葵という自分を支えてくれる人間がいるという信頼ありきでの行動かつ、ゆかりのために命を投げ売ってもいいという宣言通り、『茜』の覚悟はとても重くこれからのしかかってくるでしょう。

ですが『私』も『うち』も信じているんです、葵という存在を。

 

そう、この行動が許されるのは人生をお互いに背負うと誓う仲でしか許されません。

彼女たち、琴葉茜と琴葉葵が結月ゆかりと紲星あかりに向き合うために、意地だけで抗えぬ運命に向き合うために必須なのが寄り添い、そして背中を支え続けてくる人間なんです。

それは正しく『間違いだとしてもこの選択をすると決め、結ばれた琴葉姉妹』ではないでしょうか。

少なくとも私は、この世界の結月ゆかりと紲星あかりに最も向き合おうと全力になれる子が琴葉茜と琴葉葵であって欲しいと、そう思います。

 

 

さて、そんな春祭の中で結月ゆかりは琴葉茜から5つの物を渡されます。

 

託されたもの

花束と4種のハーバリウム

この花屋ですが、必ず結月ゆかりが来ると信じたからこそ、琴葉茜は客員パンクした花屋を収めるために1人で対処しきります。葵も葵で茜がいない事で粗が出る運営指揮に動いており、2人して涼しい顔をしていますが、その裏ゆかりとあかりがいない春祭運営はかなりギリギリの綱渡りをしています。

(それを重々承知しているゆかりとあかりだからこそ、デートしつつ初めは春祭運営をひっそりと手伝っており、それを葵が暗にやめろと促している)

行事運営

(その働きを知っているからこそ、東北ずん子はかなりの譲歩をして琴葉姉妹に融通を利かせているのもありますが)(免許が無いとトランシーバーを本来使ってはいけないのはずん子サイドも同じ。それを犯してでも葵へ手渡す判断を下している)

ずん子の意図

 

花とハーバリウムですが、茜とゆかりは非常に似通った思考、そしてとある事情を抱えています。

彼女たちは想い人が居こそすれど、その想いは『恋慕』ではなく『愛情』に近いもの。加え、お互いに『好きの理由がわからない』を抱えています。

好きとは何か

茜は恋心への返答を一週間葵へ待たせ、ゆかりもまた恋心への返答を一週間あかりへ待たせます。

この猶予というのは、彼女たちが『思い出す』に賭けをしているんです。

『今の自分』として答えを出す前に、『理由を知っている自分』が思い出せるかどうかの賭けを。

そして両者とも賭けに敗れ、好きの理由が不在のまま、恋ではなく家族愛という気持ちが強いままに、告白へと挑むんです。

 

恋とは何か

彼女たちは本当に、本当に葵とあかりという存在が大事なんです。誰よりも、何よりも、自分よりも。

自己肯定感が低いというのもありますが、それこそ自分を投げ売ってでも守りたい人がいるのがこの2人ですが、同時に最も誠実を意識しているのがこの2人でもあります。

 

葵とあかりの想いに正しく返答するのであれば、この2人のその気持ちはどうしようもない程に間違っていると自分たちで判断しています。

なぜなら、守り続けるという気持ちがそこにはないため。

 

彼女たちはどこまで行っても自己犠牲ありきで葵とあかりを守ろうとしている立場なんです。だからこそ『恋』に返事がどうしてもできない。それに返事をしてしまえば、自己犠牲なしで今までやってきたことを達成しなければならないため。

それは無理と思っているからこそ曖昧を茜は望み、ゆかりは恋の過程を望まない。

 

そんな壁を先に乗り越えた茜は、花とハーバリウムをゆかりへ手渡します。

ほぼ以心伝心のような2人の仲だというのに、ゆかりにはまだこの意味はわからない、だからあかりと知っていけと伝えながら。

 

花束の意図は紲星あかりが生花を渡される時がいつもあったからこそ、それを覆すために。

ハーバリウムの意図は結月ゆかりが少しでも未来を思い、あかりと向き合い続けられるように。

そしてもう1つ、ハーバリウムの中に更に1つ茜は仕込みをしました。おそらくあかりの死後壊れるであろうからこそ、壊れた後のために。だからこそ補強のあとからハーバリウムの中身が少し代わります。

 

花束

茜はゆかりの欲しているものに多くの、どうとでも受け止められる付加価値をつけたに過ぎません。ですがそれでも、ゆかりはそれが「今の自分が積み上げた物」だと茜から受け取り、あかりへヒマワリ、コスモス、パンジーなど艶やかな自分が選んだ花束を渡しました。

 

もう一度言いましょう。あかりが生花をいつも必ず受け取らざるを得ない日があるはずです。それはこの4月18日ではなく、もっと先……7月7日を過ぎた時。

 

白一色

そう、紲星あかりは死後にいつも花とともに別れを告げられ続けた人間です。

『今』のあかりは全てのタイムループの記憶を持ってる異端な存在であり、そんな子だからこそ『花』というものに非常に忌まわしい記憶を同じ数だけ持っている子でもあります。

 

だからこそ、結月ゆかりは『花』に『死』以外の多くの意味を見出す必要があるのです。彼女はあかりに対し、『家族愛』を抱えたまま、告白に挑もうとしているんです。

ならば最もゆかりが願うのは何か、何がその間違った答案に必要か。

 

ゆかりの願い

 

そう、ゆかりは最期まで生きてと願うんです。

 

7月7日、それがたとえ変えられない未来だとしても、どうしようもない運命だとしても、生きて欲しいんです。

だからこそ彼女は死後の花ではなく、生きている今のあかりへ花を渡すんです。

 

花火だってそうです。ハーバリウムだってそうです、ありったけの意味を、生きている彼女へ渡す。それがゆかりのしたことです。

 

結月ゆかりは恋の過程を望みません。けれどあかりがそれを望むからこそ、死後を寄越せと要求するんです。生きている間は恋として生き、死後を愛として傍にいると結月ゆかりは決めたんです。

 

それをバックアップしたのが茜、葵、ずん子。

そしてその告白への答案編として移るのが後編となります。

 

 

さあ5話後編、4話後編と同じ様にタイムリープの内容からです。

この世界

 

あかりとゆかりの関係性はそもそもタイムリープありきで成り立たされたものです。だからこそ、今という物に清く正しく向き合おうとすればする程、どうしても解いていかなければいけません。

でなければ彼女たちはいつまで経っても関係性に自信が持てないため。

 

紲星あかりは性格として、天真爛漫な子です。ですが寿命を知るやいなや、性格を大きく変えます。

 

「自分の心を、弱さを知られないために、生きたいと願わない、無関心になる、直接的な言葉をやめ、回りくどい言い方をする」

これが彼女の目にハイライトが宿っていない時の基本指針であり、生き方です。

 

ですがそれも結月ゆかりに瓦解され、今や辛うじてゆかりの前だけは虚勢を張ってその思考をしているに過ぎません。

 

あかりがこれをやめ、ゆかりへ話し始めたのは1つの話をするためです。

時計とは

ループによる発生要因

 

紲星あかりは幾星霜……実情として最低万は行く程度にループを繰り返しています。

けれど彼女は自分の意思でそれをしていないからこそ、耐えられる心の用意などできておらず、何度も心が死んでしまいます。

それにより何が起こったかと言えば、あかりは人格を幾つも作り上げ、人格が死ぬたびに新たな自分にループを耐えさせるという事をしてきました。

 

不正解の意味

これがあかりの言う不正解の意味であり、同時にゆかりとあかりに求められている選択でもあります。

 

この世界には今あかりの魂が2つあり、

・全ての死んだ人格と記憶がバックアップされている時計

そして

・あかりという今を生きている人間

 

これはあかりの死後の話ですが、あかりの魂は自動的に時計へと吸収されるようになっています。その上であかりの焼いた身体を要素とし、時計は時間を戻る(厳密には違う)力を得ています。

ですがあかりの時間をこの時間軸で終わらせるのであれば、その機能をなくし終わらせなければいけません。

 

……それを今までの紲星あかりが納得するかといえば、する訳がない。

 

『時計のあかり』と『今のあかり』は記憶を共有したドッペルゲンガーだと思ってください。つまり時計は時計で視点を持っており、あかりはあかりで視点を持っています。

そして時計が使用されたタイミングで記憶が共有される。

 

要は時計は結月ゆかりの真の想いを知っているんです。

茜とゆかりの会話やゆかりと紲星姉の会話を聞いてしまっているので。

 

今までの紲星あかりは生きることを諦め、仕方なかった、しょうがなかった。そうやって気持ちを閉じ込めて人生を終えてきました。

けれど今のあかりは?今の生きているあかりはどうでしょう?

 

今までのあかりがずっと気にかけていた琴葉姉妹の不幸を解決してしまい、茜とも友達となり、葵とは親友の様に絆を育みはじめ、ずっと気になっていたゆかりとは恋人になろうとしている。

 

その上でまだ3ヶ月の猶予があるんです。

もしかしたら最後の心残りである紲星姉の事もなんとかしてしまうのでは?いいや、できてしまう。きっと自分には手に入らなかった全てを『こいつ』は手に入れる。

優しい死に方を、何の悔いも無い死に方を『こいつ』はする。

 

そんなこと、ただ純粋に許せるわけがない。

どうして

 

あかりはだからこそ、自分で生きたいと選択を下すことができません。

あくまでも他人である結月ゆかりその人に、「私」という現状を教え、その上でどうしたらいいかを選んでほしいんです。

 

つまり……

「私を振るか」「私を受け入れるか」選んで。

とあかりは言っているんです。

 

ゆかりはあかりと付き合えばあかりを振り、またあかりを選べばあかりを捨てることになる。そんな状況に唐突に立たされたのが後編。

ほぼ答えなんて無い、出しようのないQ。それに対し結月ゆかりは答えを持つことができます。

 

なぜなら彼女は

そもそも間違えを答えとするためにここへ来ているから。

 

ゆかりの想い

結月ゆかりは最初から「生きようとしてくれますか?」と告げます。

あかりはそれに対し死後の人間かつ、死期が確定している人間故に、誰も「はい」なんて言えません。

 

でもゆかりにとってそれは「ふざけるな」って話なんです。

何度でもいいます。彼女は恋じゃない、愛をあかりに抱えてしまった人間なんです。でもそれでも、恋の先の愛を対価とし、愛の前の恋を渡そうと考えているんです。

 

だからこそ、彼女は時計を使います。

記憶共有

時計を使い、結月ゆかりはあかり自身に記憶共有をさせた上で、告白するんです。

彼女たち全員に。

好きとは

生きる意味

あかりという人間が今生きようとし始めているのは明確に結月ゆかりの存在が大きく、そして生きる意味もまたゆかりという存在が占めています。

でもだからこそ、真摯に向き合わずただ依存されたくはないんです。

恨むくらいに好きなら、本気で生きて、楽しさだけじゃない、苦しみも抱えて生きて死ねと結月ゆかりは暗に伝えます。

 

そう安々とあかりの生きた時間は解消できるものではないからこそ、最初に告げるんです。

 

「私が全て抱えてみせます」

 

時計は時間遡行機ではなく、結月ゆかりは明確な意図を持って時計を使用しました。

それは「あかりの人生全てに私を必ず携わせろ」という願い。

つまり結月ゆかりはこれから先全ての運命において、あかりと共にあると誓ったのです。そして同時に、あかりの時間遡行を止められてしまう程に彼女は『何か』を見れるようになっています。

タイムリープ阻止

あかりに代償は必ずあると言われている上でゆかりは時計の力を冗談抜きに、紲星姉なんて目ではないほどに大きく使用しました。

これから先、ゆかりの待つ運命なんてあかりには想定もできないほどに。

 

そしてそんなゆかりの強すぎる想いに対して、あかりは

怖い

ここなんですが、あかりは後編からずっと「時計」と「あかり」の2つの思考をしています。

 

ここの場合まず1つ目は死ぬ事がいつか訪れるからこそ生きることが怖い。

死ぬ時ゆかりさんに想いを抱えさせるのが怖い。そんな純粋な想い。

 

そして2つ目がゆかりの想いに恐怖します。

だって自分の気持ちで相手の今の人生だけでなく、きっと全ての、想い人の魂の在り方を完全に歪めてしまったため。

そんな簡単な決断を下させてしまった恋が怖く、下せてしまう愛が怖い。

 

あかりは愛に飢えている人間です。だからこそ愛情に多感でありつつ、受け止め方がわからない子でもあります。

そんな子が、子達が受け止められるかと言われればNoなんです。

 

あかりが願う恋とはもっと、もっと普通の事なんです。時計とかリープとか記憶とかそんな全てがおかしくしているだけで、もっと普遍的な恋を欲しているだけなんです。

だからこそ時計の子達はゆかりさんが死後も全て思い続けると言ってくれた時点で十分なんです。

それだけでいい

今のあかりも最後、「出かける時手を繋ぎたい」と言うように、全て解いた時願うのは子供のような願いだけ。

これだけでいい

あかりが結果ゆかりへの返答としたのは、小さな願いの幾つか。

「ご飯を作ってあげたい」

「手を繋ぎたい」

「一緒に眠りたい」

「死後、お墓に毎年盆に会いに来て欲しい」

そんな小さな、小さな願い事。あかり達全員が、それを知れるだけで満足できるほどに、みんなそれぞれ小さな夢しか持っていません。

積み重ねが大きくなってしまっただけで、どこまで行っても彼女は少し嫉妬してしまう等身大の少女なんです。

 

そんな、解けば小さな話が5話、4月18日。

 

おやすみなさい

主役を交代し、あかりからゆかりへと移り変わった物語。

ここから先結月ゆかりはあかりの寿命と向き合う日々を過ごしていきます。

それがどんな日々になるのか、あかりはそんなゆかりへどう想いを馳せるのか、ゆかりは何を考えていくのか、そしてそれを支える琴葉姉妹はどう動くのか。

 

まだ残り6話あるらしいですね。楽しみです。がんばってください。